【今や国民車】軽自動車を買う前に、これだけは理解しておきたい大前提の〇と×
掲載 carview! 文:山本 晋也 130
掲載 carview! 文:山本 晋也 130
「軽自動車はニッポンの国民車」といわれるようになって久しいのではないでしょうか。
乗用車における2023年の1月~8月までの新車販売実績を見てみると、軽乗用車は87万5545台、小型乗用車(いわゆる5ナンバー)が60万2069台、普通乗用車(いわゆる3ナンバー)が117万1613台となっています。
※全国軽自動車協会連合会および日本自動車販売協会連合会のデータより
数字でいえば、もっとも売れているのは3ナンバー車なのですが、もはやコンパクトクラスでは5ナンバー車より軽乗用車のほうが売れているほどです。国民車という言葉にはベーシックでスタンダードなクルマという響きがありますが、すでに軽乗用車は国民車になっているといっていいでしょう。
軽乗用車の中での販売比率をみてみると、半分弱がスーパーハイトワゴン(N-BOX、タント、スペーシアなど)、40%弱がハイトワゴン(ムーヴ、ワゴンRなど)、残りがセダンタイプ(アルト、ミラなど)やクロカンタイプ(ジムニー)となっています。
>>N-BOXってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら
>>タントってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら
>>スペーシアってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら
>>ムーヴってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら
>>ワゴンRってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら
後席スライドドアのスーパーハイトワゴンが売れているのは、圧倒的な広さがストロングポイントとなっていると考えられます。ご存知の通り、軽自動車は全長3.4m、全幅1.48m、全高2.0mというサイズの制限があります。軽自動車規格において室内スペースを稼ぐにはボディを上へ伸ばすのは有効で、背高フォルムのスーパーハイトワゴンが最適解となるのは自然な話。売れているというのも納得です。
<写真:軽自動車で8年連続販売台数首位のN-BOX。※秋発売の新型>
とはいえ、スーパーハイトワゴンにウィークポイントがないわけではありません。スライドドアのようなコストのかかるメカニズムをもつことで、どうしても車両価格が高くなりがちです。
たとえば、三菱の軽自動車ラインナップにおけるスーパーハイトワゴン「eKスペース」のスターティングプライスは154万7700円ですが、同社のハイトワゴンである「eKワゴン」は132万5500円から用意されています。20万円以上の価格差がありますので、最初からスーパーハイトワゴンだと決めつけずに、自分自身の用途を考えて、ハイトワゴンも検討してみるといいのではないでしょうか。
>>eKスペースってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら
>>eKワゴンってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら
また、スーパーハイトワゴンは背が高く空気抵抗が大きく、どうしても重くなってしまうために燃費性能において不利なパッケージです。
スズキのマイルドハイブリッドパワートレインを積んだモデルで比較してみましょう。スペーシアのWLTCモード燃費は22.2km/Lですが、アルトの燃費は27.7km/Lとなります。スペーシアの燃費が悪いとはいえませんが、ガソリン価格高騰の時代に少しでも燃費のいいクルマに乗りたいというのであれば、アルトのようなベーシックモデルを検討することをおすすめします。
>>スペーシアハイブリッドってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら
>>アルト(ハイブリッド車)ってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら
というわけで、購入予算やランニングコストを無視するのであればスーパーハイトワゴンに欠点はないように思えても、コストの優先順位が高いのであればハイトワゴンやセダンタイプが向いているケースもあるといえるのです。
<写真:価格と燃費で維持コストが安いベーシックモデルのアルト>
また、軽自動車については、衝突安全性への不安もあります。たしかに単独での衝突安全性については最近の軽自動車は高いレベルにあり、普通乗用車と変わらない安全性をもっていることも珍しくありません。単独事故を想定するのであれば、軽自動車だからといって不安に思う必要はないでしょう。
ただし、車両同士の事故になると話は変わります。物理法則から仕方がないことなのですが、大きさが異なるクルマ同士の事故の場合、軽いクルマの死亡重傷率は高くなりがちです。結果として、軽自動車や小型乗用車など軽いクルマはリアルワールドでの安全性においては不利と言わざるを得ない部分があるのです。
その意味では、軽自動車の中でも重いクルマほど対車両事故での安全性は高まります。同じ材料ならボディが大きいほど重くなるので、スーパーハイトワゴンを選ぶというのは理にかなっているといえるのかもしれません。
ちなみに、軽乗用車でもっとも重い部類といえるのは電気自動車の日産サクラ、三菱eKクロスEVで、その車両重量は1080kgとなっています。
>>サクラってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら
>> eKクロスEVってどんなクルマ? 価格とスペック情報はこちら
>>サクラの中古車情報はこちら
>>eKクロスEVの中古車情報はこちら
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
中上貴晶、ホンダ勢最上位につける「新型エアロは特に最高速で好感触」/第7戦イタリアGP初日
VW『ゴルフGTI』改良新型、よりシャープな印象に[詳細画像]
「角田裕毅はRBで活躍している……レッドブルはなぜチャンスを与えないんだ?」元ハースF1代表シュタイナーが提言
開発目標のひとつである鈴鹿の前半区間。試される2024年型GRスープラの軽量化と運動性能/第3戦鈴鹿
アルピーヌF1、長年貢献したオペレーションズディレクター、ロブ・ホワイトの離脱を発表
クッション性抜群のシートが快適! 外向きシャワーも便利なトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
トヨタ新型「タウンエース 車中泊仕様」登場! 小さな駐車場にも停められる「小型キャンピングカー」が展示! 可愛くも「5人乗車」可能なモデルとは
全長4.5mのBMW最小SUV「X1」にエントリーグレードが日本で登場! ガソリンモデル「sDrive18i」は540万円から
モダンな新デザインで登場したハーレー「ストリートグライド」最新モデルはこれから変わりゆく時代の象徴か
3年前は30億超えで今回はいくら!? 見たことない希少カラーの[マクラーレンF1]が非公開オークションに出現
鈴鹿8時間耐久ロードレース 第45回大会【事前速報】ホンダ「Team HRC」/スズキ「チームスズキCNチャレンジ」が参戦体制を発表
復活の三菱パジェロ。トライトンベースで2026年に日本導入へ!
“想定外”が頻発する耐久の現場。技術開発に留まらない、トヨタが水素で挑戦するワケ【S耐富士24hレース】
【そもそも買えるの?】ランクル300と250、レクサスLXとGX。“最強に買い”なモデルとは
【228万円】一番安いのに装備が充実…? 「マツダ3 ファストバック 15S」はアリかナシか
売れてる軽EV「サクラ」がライラック×黒の乙女系2トーン追加や仕様向上。価格は約4~5万円上昇
こっちが本命? ノートクロスオーバーがデザイン一新。タフ感強調で本家よりアリかも…?
【電動ツインブースト!】新型「911」の目玉はハイブリ搭載「GTS」。加速が大幅進化の理由
ヒロミ絶賛の乗り心地、電動トノカバー高すぎ!? 発売から3ヶ月経ったトライトンのユーザー評価は?
BMW最小SUV「X1」に新グレード追加! 1.5Lの“sDrive18i”は最安の540万円
活気を取り戻すイタリア車。名門「ランチア」の“懐かし系”ニューモデルたちは日本に入ってくるか?